朝出航してから最初の寄港地は、フランスのベルサイユ宮殿の影響を色濃く反映する、17世紀のヨーロッパスタイルのバンパイン宮殿(Bang Pa-In Royal Palace)です。対岸には、1878年にラマ5世によって建てられたワット二ウェートタンマプラワット(Wat Niwet Thammaprawat)があります。イギリス様式のゴシック大聖堂のような外観と、ステンドグラスが埋め込まれた窓が印象的です。この洋風の仏教寺院へは、僧侶が手で動かすケーブルカーに乗って小さな川を越えてたどり着きます。
その後、ユネスコ文化遺産に登録されているアユタヤに向けて、もう少しクルーズを続行します。高くそびえる舎利塔や重厚な仏教の僧院は、アユタヤの過去の栄華を感じさせる唯一の遺跡です。残念なことにアユタヤの宝物の大半は過去に盗まれたり、燃やされたりして消失してしまいました。そうした被害に遭わずに残った宝物は、チャオ・サン・プラヤー国立博物館(Chao Sam Phraya National Museum)に展示されています。その中には、ワットラーチャブラナ(Wat Ratchaburana)で発見された、スリランカ、ネパール、ジャワが起源の仏像や、宝石がちりばめられた黄金の仏像もあります。
バンコクの中でもとりわけ個性の強いチャイナタウンは、古い町屋、狭い路地、色鮮やかな寺院、ファッショナブルな新しいレストランやバーが集まる魅力的な地域です。まずはターン・ジャイ・ユー(Tang Jai Yoo)で腹ごなしといきましょう。この店は、セレブシェフのアンソニー・ボーディン(Anthony Bourdain)も味わったという子豚の丸焼きが有名な中国料理レストランです。ヨーロッパ料理のほうがお好みなら、リーズナブルな価格と居心地の良さで地元の人の人気を集めているセブンスプーンズレストラン(Seven Spoons Restaurant)で美味しい地中海風料理と魅力的な絶品のカクテルをお楽しみください。ディナーの後は、重厚な扉の向こうに潜むジン専門のバー、ティーンズオブタイランド(Teens of Thailand)へ。生演奏が聴きたくなったら、趣のあるショップハウスをうまくリノベーションして生まれたテップバー(Tep Bar)に移動しましょう。ドリンクメニューが充実しており、タイの薬酒ヤードーンや各種カクテルを楽しむことができます。