環境
資源と廃棄物
キャセイパシフィックの取り組み
持続可能な調達、廃棄物管理、資源利用への注意深い配慮が、弊社の企業文化と持続可能な運航へ環境に対して責任あるマインドセットを根付かせる取り組みを下支えする3つの柱です。毎年数千人の従業員を雇用し、数百万人ものお客様にご利用いただく世界的な大手航空会社として、環境への影響を慎重に管理することは不可欠です。調達から最終廃棄まで、完全循環型の手法をとることで、より系統的に持続可能性の課題に取り込むことができます。
調達
キャセイパシフィックは、サプライヤー行動規範を策定しました。そこには弊社の企業倫理の基準も含まれています。弊社では、環境にやさしい材料の使用の拡大、再生された廃棄物の利用、再生プラスチック製品の調達など、調達に関する諸問題でサプライヤーと緊密に連携しています。
弊社では、すべての商品の調達手順において、関係法規、税制、および各取引を管理する規制などの遵守を徹底することを求めています。また、贈収賄防止、反トラスト、およびデータ保護ポリシーについても詳しい説明を求めています。
さらに、調達に関するバランス評価スコアカードを作成し、コスト、イノベーション、満足度、品質、供給の確実性、持続可能性の6分野において、サプライヤーの実績を評価しています。
資源と廃棄物の管理
廃棄物は、グループ関係者が最も懸念している環境問題の1つです。埋め立て地不足や香港での都市ゴミ課金制度の実施といった最近の環境問題により、廃棄物の削減は弊社の関係者や地域社会にとって差し迫った問題となっています。
弊社の関係者(特に従業員)は、廃棄物の削減への貢献度については懸念を表明しています。そこでは、廃棄物の削減およびリサイクルプログラムに関するコミュニケーションや研修の強化、事業活動の継続的な見直し、デジタル化を使用した管理の改善の重要性が取り上げられています。こうした理由から、活性化された持続可能な開発戦略は、製品の利用と廃棄の管理に明確に焦点を当てています。
廃棄物の削減に対する取り組みについての詳細は、持続可能な開発に関するレポート(Sustainable Development Reports)をご覧ください。

機内の製品による影響を減らす
1) 機内でご提供するカクテルスナック(ローストピーナッツ)は認定されたヤシ油から製造され、先住民の森林伐採権など、環境への負荷を最小限に抑えるうえで役立っています。
2) 2016年から、ナプキンはサトウキビ70%、ウッドパルプ30%で作られています。
3) キャセイパシフィックのフライトで使用した再利用可能なプラスチック製カトラリーは、分類、洗浄を経て再利用されるため、使い捨てのプラスチックゴミは最小限に抑えられています。
4) 海の生態系の保護を支援するために、2018年には機内食用の食材として、持続可能な認定海産物417トンを購入しました。
5) 2018年には、香港で水耕栽培された野菜38トン以上を使用しました。
6) 2012年に導入された機内カーペットは、廃棄された漁網、布地、じゅうたんなど、ナイロン製の廃棄物を再生して作られています。
7) 2011年から、ブランケット、機内誌、ヘッドフォンの包装に生分解性プラスチックを使用しています。
8) エコノミークラスにご搭乗のお客様には、再生ペットボトルのみで作ったブランケットを導入しています。毎年450,000枚が使われています。未使用のブランケットは、後のフライトで再利用されます。
プラスチックの使用を再考する
プラスチックは汎用性があり、費用対効果が高く、どの素材よりも軽量であることから、航空業界で広く使用されています。これは、機内の重量を減らすことが燃料使用量と二酸化炭素排出量の削減につながるためです。しかし、プラスチックは分解に時間がかかるうえ、取り扱い方を間違えると環境に明らかに害を与えます。
弊社の事業活動におけるプラスチックの使用が原因で生じるマイナスの影響を減らすため、長年にわたりさまざまな取り組みを行ってきました。2018年には、使い捨てプラスチックに対する新しい方針を採用しました。それは、削減(Reduce)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)、再考(Rethink)の頭文字をとって「4R」と呼ばれます。前半の3つのRにとらわれず、すべての段階、すべての場所、すべての事業部門で使い捨てプラスチックを使用する方法、理由を根本的に考え直し、最終的には使い捨てプラスチックを可能な限りゼロに近づけ、代替品と置き換えることを目指しています。
食品廃棄物の削減
機内でもラウンジ内でも、お客様に質の高いお食事をご提供すること目指しています。それと同時に、地元の農産物生産者を支援し、廃棄物や二酸化炭素排出量を最小限に抑える方法で、このプロセスを管理することを目指しています。
機内食手配の締め切り時間をできるだけフライト出発時刻の直前にして、食品廃棄物が発生しないよう努めています。締め切り時間を短縮することにより、機内で必要となる機内食の数を正確に見定めることができるため、廃棄物の削減につながるのです。
また、必要としているコミュニティに余剰食品を寄付する取り組みも行っています。弊社のケータリングサービス部門は、2018年に香港のフードバンクFeeding Hong Kongに434トンの食品を寄付しました。香港の高齢者のために温かい食事を調達している別の慈善団体Food Angelには4.6トン以上の食品を寄付しました。
退役機材
競争力を維持するよう、燃費効率が良く先進的な技術を取り入れた新しい機材を導入し、ますます高まるお客様のご期待に応えています。2015年には、使われなくなった機材をリサイクルするためのソリューションを専門とする企業との協業を開始しました。エアバスのPAMELA(Process for Advanced Management of End of Life of Aircraft)と呼ばれる取り組みの元で、退役機材は計画的にリサイクルされ、部品の最大90%が再利用または再生されています。機材のリサイクルプロセスにおいて、有害廃棄物(主に潤滑油)は専門の廃棄物処理業者に送られ、適切に処分されます。
プラスチック削減への取り組みに関する詳細は、サステナビリティレポートの最新版をご覧ください。